アクセス解析

●住宅が得意な建築家とは?●



今現在(2004年)日本での一級建築士の登録番号は31万番くらいになっています。
60歳くらいの人の番号が7〜8万番台になっていることを考えると、
実際に実務として行っている1級建築士は23〜24万人位とざっと
考えられます。日本の人口1億2千万人で割ると、ざっと500人に一人
位でしょうか。

しかし世の中に一級建築士は数多くいますが、その中で実際に一級建築士
らしい仕事(一級建築士でなければできないのは大きい建物の確認申請の名義人となる。
=そのような大きな建物の全体のデザインを行う設計者)ができている人が何人いるか?
ということになってきます。

まず建築業界にはいろんな人がいます。デザインや法規事項、お客様
との打合をし、全ての事項をとりまとめる意匠設計(これを一般的に建築士(建築家)といいます。)
構造設計をする方、電気設備をする方、機械設備(給排水や空調)をする方、一つの建物を
たてるのにだいたいこの4つの分野の専門家が集まります。
このなかで意匠設計を行う人間があとの3つの分野をとりまとめるのです。

これは一般の建物においていえる話で、構造の方は少しでも頑丈になるように
柱や梁を大きくしたいと主張し、設備の方は配管等のスペースをできるだけ大きく
したいといってきます。そのような意見をそのまま聞いていると、建物はぐちゃ
ぐちゃになってしまいます。

それをとりまとめるのが意匠設計者(建築家)の役割となります。

が、住宅の場合はかなり様子が違います。というのも特に木造の場合は、
構造計算が不要な場合が多いので意匠設計者(建築家)が構造設計者を
兼ねてしまいますし、給排水、空調設備といっても大きな建物のように
複雑なものは使わないのでこれもやはり兼ねてしまいます。

結局、木造住宅に限れば家の出来は、かなりの割合で意匠設計者(建築家)
一人の力量にかかってくることになります。

ここでよく聞く話になります。建物を建てるにはいろいろと制約がある
ということです。予算、法規、土地、要望・・・。あげればきりがありません。

もっと大きな問題もあります。
ほとんどの設計者がどこかの会社に属しているということです。

あなたが家を建てようとどこかの会社に足を踏み入れたとき、
本当は敷地が狭小で鉄骨が向いている場合であったとしても
その会社が木造専門の会社なら、いろんなトークをもって
木造にしむけるというような事態が必ず起こります。

そのようなことを考えると、意匠設計者(建築家)が思い通りの設計ができる
ということがどれだけ大事か分かっていただけるかと思います。

また、お客様に対する窓口はできれば一人がのぞましいです。
設計は設計士、インテリアを決めるのはインテリアコーディネーター
外構は造園屋となるとまとまりのあるデザインにはなりにくいのです。

デザイン上いい家を建てたいなら信頼する一人の人間が全て取りまとめるに
こしたことはありません。

●では自由に設計出来る環境ならば、誰でもいい設計ができるのか?●

いつも間取りを考えるしかしていない設計者には、急に自由な建物を建てても
いいよと言われても、できない場合が多いと思います。

日本の大学の建築学科は大きく分けて意匠系、構造系、
環境系(温熱環境、音、光環境等)施工系
に分かれます。

やはり同じ建築の道に進んだ人間とはいえ、十人十色です。意匠系に行く人間は
やはりデザインにこだわります。がそのこだわり方も規模も千差万別です。東京ドーム
のような巨大建築物にあこがれる者もいれば、私のように住宅が好きな者もいます。

ただ大きな建物の設計というのはどうしても一部分の設計になってしまいます。

あとの構造、環境、施工に行く者はどちらかというとデザインは苦手な方が
多いように思います。(そうでない方もたくさんいらっしゃいます。)

このようにさまざまな専攻を経た後にそれに準じた実務経験を
積んでいくのですが、やはり実務と学問は違います。

●何を専攻したかよりも、どの会社でどんな建物のどんな仕事をしたか? ●

これが最も重要になります。
しかもこの3条件はすべてそろってこそ意味があります。

例えばあなたがすきな住宅をたてる会社で、あなたが好きなデザインの家の担当者でも
現場管理をしていたのでは、あなたの意匠設計には向かないと思われます。

これは意匠設計者(建築家)が一番偉いということではありません。
しかしお客様と直接話をするのは必ず意匠設計者(建築家)になります。

ということはお客様にとっては意匠設計者(建築家)がだれなのかが最も重要なのです。

この意匠設計者(建築家)も、

等さまざまな人がいます。

ただ「自由にやっていい」といわれても自由にやった経験がない人は
自由にやる力量がありません。

なぜなら自由に設計するということは考えなければならないことが山のようにあるからです。

私が昔教わった話で「風・水・地・火・熱・観・音」という言葉がありますが、
これは「台風・雨漏り・火事・断熱・デザイン・騒音」くらいは考慮しておきなさい。ということでした。

規定外のことをするときは最低限これは肝に銘じています。
それでも、現場が始まると思うようにいかないことがたくさんあります。
そのときは現場で職人さんと打合をしながら問題のないように解決法をさがします。

自由な設計を体験してきた人はその数だけ失敗を積んでいる人なのです。

最初に24万人といいましたが、自由に設計を行い、失敗を重ねて経験を積むこと
ができている設計士はおそらくその1/10もいないのが実情ではないかと思います。


アクセス解析 & SEM/SEO講座 by CUBIT