@[] 兵庫県と大阪で外断熱・リフォーム・シックハウス・欠陥住宅対応の一級建築士の設計事務所の木造住宅

●木造住宅を勧める理由●



今現在、日本に建っている一戸建住宅の構造は大きく分けて三つしかありません。
(高層ビルやその他大規模建築には他にもたくさんあります。)

たぶん言葉くらいは聞いたことがあると思います。ただ木造住宅は
ともかくとして「鉄骨造」と「鉄筋コンクリート造」の違いを明確に説明できる人は
たぶん少ないと思います。
では簡単に説明します。


「鉄骨造」


Hや□の字の形をした鉄骨とよばれるもの(町工場の中などでよくみかける鉄の部材、
表面が赤っぽく錆止め塗装してある)で柱(地面から垂直に立つ構造材)や
梁(柱と柱を水平に結ぶ構造材)を最初に組み立てておき、その後で床、壁、天井、
屋根などを貼っていくような工法,通称「S造」とも言われています。


「鉄筋コンクリート造」


直径10〜30mm前後の鉄筋を井桁状に20cm間隔くらいでくみ上げ、その
まわりに「型枠」とよばれる木製の板で囲いを作り、その間にコンクリートを
流し込んだあと固まったら、型枠をはずして出来上がりとなります。例える
なら豆腐作りに似ているかもしれません。通称「RC造」とも言われています。
思い違いはなかったでしょうか?


この3工法にはそれぞれ長短があります。教科書的な知識は他に譲るとして
実践的な話をしますと、「構造上の強度」に関しては、どの構造も「適正な設計」
と「適正な施工」を行えば問題はありません。問題になるのは「適正な設計」
もしくは「適正な施工」の片方でも行われていない場合です。


まず「適正な設計」においてですが、最もばらつきがでやすいのが
「木造住宅」です。

というのは他の2工法に比べてほとんどの場合「構造計算が不要」と
いうことがその理由です。木造住宅はほとんどの場合、簡単な構造基準さえ
満たせば、確認申請に通ってしまいます。つまり下手な設計士が設計すると
非常に弱い家になってしまう恐れがあるということです。


もうひとつあるのが、壁の中で起こる内部結露が起きないような設計をする
必要があるということです。これは力学的なことではなく、熱工学に基づくこと
ですが、これを誤ると10年もすると内部結露で断熱材だけではなく、構造材
までも腐ってしまうということになりかねません。

これに関してははっきり言って野放し状態です。ありとあらゆる断熱方法が
存在しますが、実際に結露計算によって確認しているところなど皆無に等しい
というのが実情です。温暖地域なら致命傷にはならない場合が多いですが、
北海道などの寒冷地では多数の被害が過去に報告されています。
ただ過去の失敗があるだけにこの地域の内部結露に関する知識は他の地域の
平均レベルをはるかに上回っています。


あとの「鉄骨造」と「鉄筋コンクリート造」の住宅はほとんど構造計算を
おこなっているので、設計上の不備は少ないと思います。
ただ「鉄筋コンクリート造に関しては、構造自体の重さが非常に重いので、
地盤の重要性がより高くなってきます。


「適正な施工」においてですが、これは手を抜こうと思えば3工法とも際限
なく手を抜くことできます。ただテレビに出るようなあまり極端な例を出しても
仕方がないので、実際よくあるレベルの話にします。

まず「木造住宅における手抜」ですが、最近は構造材自体はプレカット
工場において加工しておいて現場では組み立てるだけとなっているので、
ここまではまず手の抜きようがないです。問題はその後で、今現在の木造住宅は
金物内蔵工法でない限りは、必ず金物による補強が必要になってきます。

まずはこの金物が足りない、という手抜きがあります。

次に、ほとんどの場合、柱や梁に木の板をはりつけることによって、地震や
風圧力に抵抗させるのですが、所定の間隔でビス留めを行わないという手抜きも
あります。

また先ほど説明しました、内部結露が起こらないようにするには工法にもより
ますが、丁寧な施工が要求される場合が多いです。最後に蟻対策です。
たいてい薬剤散布をするのですが、これも手を抜かれやすい部分です。
ただ薬剤を散布するのは健康と諸刃の剣なので悩むところではあります。

次に「鉄骨造における手抜」ですがこれにおいては大きく分けて二つあり
ます。一つは溶接不良、もう一つはボルト締不良です。鉄骨の場合は、骨組
みである鉄骨がガチッと固まっていることで、地震や台風に抵抗するのです
が、この二つで手を抜かれると、所定の耐力が出ないということになります。
ただ不安要素が少なく又目視で確かめやすい上、鉄骨自体も工場で作成される
ため、ばらつきは少ないと言えるでしょう。

最後に「鉄筋コンクリート造における手抜」ですがこれは手を抜き出すと
きりがないというか、いくらつきつめても限度がないほど手間がかかり、また
大変な工法です。

まず鉄筋の組み方ですが、素人の方が見ても現場によって組み方のレベル
に差があります。そもそも鉄筋コンクリート造というのは、「コンクリート」という
圧縮には強いが引張りに弱いという物の中に、引張りに強いが錆に弱いとい
う「鉄筋」を埋め込むことによって相互の弱点を補完しあう構造です。という
ことは鉄筋の組み方が悪いと、鉄筋が所定の耐力を発揮できない恐れがあり
ます。

またコンクリートの成分ですが、セメント、砂、砂利、水に添加剤等を加え
て造るのですが、季節による温度補正や、規模によるセメントの種類、塩分
を含まない骨材、水セメント比・・・・・等、ありとあらゆることを考慮の上配合
されます。これは工場にて配合されるのであまり心配はないと思われます
が、これも一瞬で壊される恐れがあります。

施工が楽になるという理由で、現場で勝手に水を継ぎ足すということがある
からです。正直、設計者が監理するといっても、四六時中はりついているわけ
ではないのでそこまで監理するのは不可能です。現場の良識に任せるしかないのです。

仮にここまでちゃんとできたとしても、適正な強度を期待するには、打設時の
こまめなつき固めや、季節ごとに異なる適切な養生期間の確保等完璧なコンクリート
打設に必要な条件は際限なくあります。しかも厄介なことは目視が不可能な場合が
多いということです。


長々と説明しました。

カタログのように話してもおもしろくないので、端的にいいます。

●各種工法の平均的なコストを比較すると●
木造住宅 < 鉄骨造住宅 < 鉄筋コンクリート造住宅

●構造強度を確認しやすい順は●
木造住宅、鉄骨造住宅 > 鉄筋コンクリート造住宅

●人間の体・精神に優しい順は●
木造住宅 > 鉄骨造住宅、鉄筋コンクリート造住宅

●構造自体の断熱性●
木造住宅 > 鉄骨造住宅、鉄筋コンクリート造住宅

●循環型社会を見据えた環境への適応性●
木造住宅 > 鉄骨造住宅 > 鉄筋コンクリート造住宅

●防火地域や準防火地域への適応性●
鉄筋コンクリート造住宅 > 鉄骨造住宅 > 木造住宅

●地盤が悪い土地への適応性●
木造住宅、鉄骨造住宅 > 鉄筋コンクリート造住宅

●狭小土地の3階建、もしくは変形敷地への適応性●
鉄筋コンクリート造住宅、鉄骨造住宅 > 木造住宅

●大空間のつくりやすさ(柱スパン4m以上)●
鉄筋コンクリート造住宅、鉄骨造住宅 > 木造住宅

だいたいお分かり頂けたでしょうか?なにも木造が万能というつもりはあり
ません。ただ、防火地域等の指定のない普通の形で普通の広さの土地において
特別大きな空間を必要としない場合(たいていの場合これにあてはまりますが・・)
に限ると木造住宅の評価が圧倒的に高くなります。

この中でも決定的に木造住宅が優れているのは
「人間の体・精神に優しい」という点です。

他でよく書かれていることを書いてもつまらないと思うので、少し込み入った
話をします。木造住宅を専門にやっている会社が必ずといっていいほど引き合いに
出してくる資料があります。それは
「鉄とコンクリートと木の箱でマウスを飼育したときの生存率の比較」
です。これによると木の箱のほうが圧倒的に生存率が高いです。
パンフレットに出ているのはだいたいここまでです。

まずその資料ですが、木製、金属製、コンクリート製の3種類の箱でねずみの子供を
飼育したときの20日後の生存率を比較しています。その結果は
木製   約85%
金属製  約40%
コンクリート製 約5%
 
  となっています。ものすごい差ですね。木造住宅だけをやっている会社はこれだけ
をみて、木造住宅がいかにすぐれているかということをアピールしようとします。

が、見て頂きたいのはむしろこの後の実験なのです。

コンクリート製の箱が最も悪い結果が出たのですが、その床に
合板(木製)、塗装合板、クッションフロア、の3種類をひいた3つの箱
で同じ実験を行うと、木製の箱に近い結果が出るのです。

つまりこれは日本のマンションの現状の仕様とほぼ同じなのです。ただその3種類でも
塗装をしていない合板は吸放湿性がある分あとのふたつよりも若干いい結果が出ています。
なんでもそうですが同じ実験でも文章でも、どう引用するかで人の受け止め方というのは
コロッとかわってしまいます。恐ろしい話です・・・。


「では木造住宅には特に有利な点はないのか?」というとそうでも
ありません。その一端として、木造と鉄筋コンクリート造の学校における、
さまざまな調査結果をお話していきたいと思います。


調査@木造の小学校と鉄筋コンクリート造における児童の心理面の比較


小学校5,6年生の児童に、木造と鉄筋コンクリート造の両建物においての心理面の比較を行った結果です。

という8項目の比較全てにおいて木造校舎の児童の方が良い結果が出ています。
また、なぜかは分かりませんが女子においては特にこの差がはっきりと表れています。

これは逆に考えると女性のほうが木造の建物に住むメリットが大きいということにもなります。


調査A 教師から見た子供の様子の比較


という五項目において木造建物の方が良い結果が出ています。
(木造66校、鉄筋コンクリート造80校の養護教諭からの回答)


調査B 生徒、教師の疲労自覚症状の訴え率


という3項目において木造建物の方が良い結果が出ています。


調査Cインフルエンザによる学級閉鎖率


これらの調査はなぜそうなったのかといわれると、明確な理由を断定し
にくいという側面はありますが、公正な手段で比較的数多い中での調
査での結果ですので、木造住宅は人間が暮らす上で、身体的、精神
的に最も望ましいといえるのではないでしょうか。

 

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