今現在、日本においては床暖房が最高の暖房設備だと思っている方が
ほとんどかと思われます。本当にそうなのでしょうか・・・?
まず、「断熱性とは?」のページで人間の体感温度というのは
「(周りの空気の温度+周囲の壁面の温度)/2」で表せるといいました。
しかもその結果が同じなら、その数値が同じなら
空気と壁面の温度が近いほうが快適ということも話しました。
これをもっと具体的に説明すると今の大半の住宅は冬ならば壁面温度が
周囲空気の温度よりだいぶん低くなっています。例えば15℃としましょう。
その条件で、20℃に感じようと思うのなら、上の式に当てはめると
「20℃=(周りの空気の温度+15℃)/2となり、」
ファンヒーターの設定温度は25℃にする必要があります。
ところが断熱性の高い家ならば壁面の温度が19℃、空気温度が
21℃で同じ20℃に感じることが可能になってきます。当然こうすると
暖房独特の「なんとなくぞくぞくするのに空気だけ暑い」という不快な
現象をかなり抑え ることができます。
さらに深く見ていきましょう。
「じゃあ周囲の壁面の温度とはなんでしょう?」
これは「天井面+周囲の壁4面+床面の計6面の平均温度」が
基本になります。
通常の床暖房はこの6面の内のたった1面でしかない床のしかもその
60%程度の部分だけを暖めようとしています。当然その部分の温度は
高くしてやらないと6面の平均温度は上がってきません。
もうなんとなくお分かりになるかと思いますが、
「6面それぞれの温度がばらつきが少ない方が快適なのです。」
床暖房は床の一部分だけそれなりに高温にしなければならないので、
床暖房が入っているところとそうでないところが露骨に分かってしまいます。
そもそも床暖房がここまで日本において神話のように崇拝されるようになってしまったのは ひとえにほとんどの住宅の断熱性が悪い事によります。床、壁、天井の表面温度が低いため 空気だけ暖めてもほとんど暖かく感じない→そんな部屋で空気だけ温める暖房を行っても 暖かい空気は上にあがっていくだけなので直に足が触れている床面は少しも暖かくない。 →そんな環境の部屋においては床暖房を行うととりあえず上下の温度差の解消できると同時に直に接する 床の温度だけはなんとか暖かくなる。これが日本で床暖房が普及した大きな理由だと思います。 よってそれぞれの表面温度が高い高断熱高気密住宅においてはイニシャルランニングコストも 高く、無垢のフローリングも使えない床暖房などする必要はまったくないのです。
リビングやダイニングテーブルの下だけはポカポカなのに廊下やトイレは
寒いというのは非常に貧しい発想ですし、それ以前に、部屋の中にこのよう
な温度差があるというのは脳血管障害等を引き起こす原因にもなってしまい
ます。また30度以上の床に接したまま寝続けるのは逆に体に支障があるというデータも
でてきつつあります。
何も段差をなくすだけがバリアフリーではありません。
温度差を取り除くことも立派なバリアフリーです。
ヨーロッパに行って、暖房便座の話をしたら
「うちは家中暖かいからそんなものないわ」
といわれて恥を掻いたという人もいるくらいです。
ちなみに暖房便座の電気代というのは意外とかなりかかっているのです。
電気代を気にされる方はすぐにスイッチオフにすることをお勧めします。
そうはいいながらも少しでもいい床暖房を目指して作られたものに
低温水式床暖房というものがあります。これは通常30度以上の部分を
部屋面積の6割程度敷設する床暖房に対して、25度以下の低温で部屋
面積の8割以上に敷設する床暖房です。
こうすると当然温度のばらつきが少なくなるので通常の床暖房よりは
快適になります。それともう一つの利点として、通常の床暖房は温度が
高すぎて貼物のフローリングでも対応品しか使えませんし、ましてや
無垢のフローリングになるとお話になりません。こういうときにも
低温水式なら無垢のフローリングにも対応可能となります。
とはいってもこれでも部屋の中のばらつきをなくす程度で家全体に
対して床暖房は完全ではありません。
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